甘くないけどなれれば勝ち組、行政書士とは。

行政書士を目指していた時期があります。それはそこまで頭のいいほうではない後輩の影響を受けてのことでした。当時その後輩と私は同じ職場にいたのですがある日突然その後輩が『行政書士になります』と言ってきたのでとてもビックリしたことを覚えています。もちろんなれるわけないだろうというのが私の最初の感想でした。しかも仕事も続けながらの行政書士の勉強だなんてできるわけもないと思っていたからです。

しかし2年後、その後輩は一発で行政書士になる資格をとっていたのです。信じられませんでしたが正直なところこれから独立できるであろうその後輩にちょっと嫉妬の念を抱いていたところもありました。

そこで私は、もしかして自分が思っているほど難しいものではないのか? と思って私も挑戦してみようと思ったのがきっかけでした。正直頭のいいほうではないその後輩ができるのであれば、おそらく私でもできるのではないかという勘違いもありました。それに独立心に関して言えば私も負けないほど独立したいという気持ちは強かったので余計に行政書士に興味を持っていました。

決めたら行動だけは早く、すぐに独学で行政書士の勉強を始める準備をしていました。まだ準備の段階にもかかわらず、私はまわりに行政書士を目指していることを公言していました。今思えばそれさえしていなければ、と思います。勉強する準備は整ったのですぐに勉強を始めました。

勉強をしてすぐに気が付いたことは、これを本当にあの後輩が受かったのか? という疑問と焦りでした。人にはそれぞれ向き不向きがあるように、見事に私には不向きなことにかなり早い段階で気が付いてしまいました。

しかし私は公言した以上できる限りやってみようと思い、必死に勉強をしました。次の年の試験の申し込みまでしていました。先ほども述べた通り、人には向き不向きがあります。他の分野ではその後輩に勝ってきていたのかもしれませんが行政書士という面では完全に完敗でした。勉強のあきらめは早く、これは本当にやっても無理だと気づいた時点でやめていました。

次の年に控えている試験のお金はもう払っていましたが。これもある意味での勉強代かなと自分に言い聞かせて、別の分野への道を歩くことに決めました。試験には、記念受験的な意味で行くだけ行くかどうか迷っていましたが、結局は行っていません。記念受験でも受けていればよかったのかな、とも思いましたがなんとなく行けずじまいに終わった感が強いです。例の、今は行政書士事務所を自分で立ち上げているその後輩は私のような安易な発想でなろうとしたのではなく、本気で行政書士を目指していたんだな、と思います。

余談ですが、独立も先を越された私はいまだに自分の方向性に悩んでいます。はい。なんだかとてもお恥ずかしい執筆となってしまいましたので、この辺で失礼いたします。