夜間に車に乗り降りする時、私は車のライトについて執拗に気にするようにしています。というのも、私が免許をとりたての時に手痛い失敗をしたからです。
あれは免許を取ってすぐだったので19歳の頃でした。
念願かなって取得した免許なので嬉しくて嬉しくて、大学の友人3人を誘って郊外へドライブへ行くことにしました。他の3人は免許を持っていないので、私は優越感を感じながら「車の運転とは」などと講釈を垂れていたことを思い出します。
こうして面白い時間は瞬く間に過ぎ、夕方になって帰路につくことになりました。ただそのまま帰ると21時頃になるということで、それならばどこかで何かを食べようということになったのです。
そしてしばらく走って、手ごろなファミリーレストランがあったのでそこへ駐車し食事をすることに。
しかし、ここでの食事が美味しかったのと、その日の出来事について妙に盛り上がってしまって1時間程度の滞在の予定が、気が付けば4時間を超すまでになってしまっていました。
時間は22時を過ぎていたので、このまま帰っても深夜には最寄駅に着けます。そこから終電に乗ればギリギリ間に合うということで、私たちは急いで車に乗ることにしました。
が、駐車場に停まっている私の車を見て、一目で分かる違和感を感じたのです。
「おい、ライト点けっぱなしじゃね?」
友人に言われて私は焦りました。確かにライトは消したような気がしたのですが、どうやら消していなかったようなのです。
すぐさま車のドアを開け明かりの弱くなっていたライトを消したのですが、嫌な汗が額からダラダラと流れてきます。何事か理解できない友人たちは「早くエンジンをかけろよ」と急かしてくるのですが、私は車のバッテリーが上がってしまって動かないのではないか。そう思ったのです。
私は恐る恐るエンジンキーを回しました。すると……エンジンがかかりません。その時に車のバッテリーが上がったと観念しました。
友人たちには事情を説明し、とりあえずロードサービスの会社に連絡をし助けを求めることに。
その後、ロードサービス会社の方の迅速なサポートのおかげで事なきを得ましたが、もう最寄駅に行っても終電が無いことは確定です。こうして私は友人たちを一人ひとり家まで送ることになりました。
その時の失敗がきっかけで、現在では夜間に車に乗る際にはライトを気にしまくるようになりました。